レンタルカートの耐久レースで走行ログを取ってみた#1

この記事の内容

  • (この記事)計測のためのハードウェアの準備
  • (次の記事)計測と走行データの分析

なぜ取り組んだのか?

クルマの運転が好きな私は公道での運転だけでは飽き足らず、サーキットで全開走行したい欲求に駆られることがある。学生の頃は自分の車をいじってサーキットに行くことはしばしばあったが、社会人になった今、日々のメンテナンスや部品の置き場所等を考えるとどうしてもめんどくささが勝ってしまっていた。そこで巡りあったのがレンタルカートである。外からみると速さは感じられず、「それって楽しいの?」と言った感じではあるが、実際乗ってみると実に楽しい。帰りの足のことを考えなくてもいいので限界にもチャレンジしやすい。レンタルだからこそメンテナンスも不要というところもいい。そんな点に惹かれて仲間内でレンタルカートの耐久レース(誰でも参加できる草レース)に参加するようになった。

一方、レンタルカートに慣れてきた頃に直面するのがタイムが伸びないという問題だ。自分では乗れているつもりなのに仲間に対して自分だけ遅い。仲間に教えてもらうこともできるがイマイチぴんとこないこともある。そこで思いついたのが、走行ログを取得して比較すればその差が明らかになるのではないか、ということだ。

耐久レースで走行ログを取得する時の前提

耐久レースで走行ログを取得する場合は、自分の車の場合とは少し前提が異なる。レースの規定にもよるが、耐久レースの場合はドライバー交代の回数が決められており、その際にカートも交換する。カート交換時にロガーもセットし直せるほど余裕な時間はないので、自分の車のようにロガーはカートに固定しておくことができない。

そこで少々苦しまぎれではあるが、人の体にロガーを固定する方法を考えた。そうすればカート交代時にもスムーズに済む。固定位置はアクションカムがよくつけられているヘルメットが妥当だろう。

ログ取得上の個人的なこだわり

巷にはさまざまなGPSロガーが販売されており、最近ではスマホのGPSでも簡単なログ取得はできる。一方、一般的なGPSの測位精度は500mm~5000mmとも言われており、精度良く計測できたとしても普通車のタイヤ2本分はずれてしまう可能性がある。ここは個人的な思いであるが、このような測位精度で「走行ラインが〜〜」とか「ブレーキのポイントが〜〜」とか議論しても後で虚しくなりそうなのでそれは避けたい。

そこで目をつけたのがRTK-GPSである。普通のGPSとは違い、衛星から情報だけではなく地上の基準局からも情報をもらうことによって精度の高い測位(誤差1cm~5cm)を可能にしている。私が学生の頃はどれも3桁万円くらいしていて決して手を出せるものではなかったが、購入当時の2021年には10万円ほどで売られていた。学生の頃からするとバーゲンプライスな気がしてしまって、気がついた時にはポチっていた。後悔はしていない。

ということで、個人的なこだわりとして走行ログ取得にはRTK-GPSを利用する。


一般的なGPSとRTK-GPSの違いは下記サイトでわかりやすく説明されている。

計測のためのハードウェア

前置きが長くなってしまったが、こちらが計測に必要なハードウェアである。

  • Drogger RWP(RTK-GPS受信機のセット)
  • ヘルメット
  • GoPro用ヘルメットマウント
  • Gopro用1/4インチねじ変換アダプタ
  • ねじ径変換アダプタ
  • Androidスマホ
  • スマホポーチ

購入品のリンクを掲載しておく。*ヘルメットはホームセンターで購入、Androidスマホは友人からゆずってもらったものなのでリンクなし。

構成としては、ヘルメットにRTK-GPS受信機であるDrogger RWPをマウント。Drogger RWPはAndroidスマホにBluetoothでログを送る機能が付いているため、体にくくりつけたスマホポーチにスマホを入れておくだけである。配線が一切ないところがおしゃれなポイントだ。

これで計測のためのハードウェアの準備は整った。次回は計測と走行ログの分析について紹介する。

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